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2024 11/24【 CB400SSツーリングマスター(TM)を実感する 】




先日、NWJC高田さんのご厚意で、SL230ツーリングマスター(TM)、CRF250Lツーリングマスター(T

M)、CB400SSツーリングマスター(TM)の3台をお借りし、RBRにて試乗会を行い、前回記事で試乗された

お客様の声をアップさせていただきました。


カブ110NWJCコンプリート、CB250R−TM、NWJCさんでメンテナンスを行ったトライアンフ空冷モダン

クラシックを楽しむお客様からも「NWJCさんのホームページに出てくるツーリングマスターに乗ってみたいなあ、い

つもチブカさんだけずるいやん(笑)」との声もあり、今回とても良い機会をいただきました。


その中で僕自身がCB400SSツーリングマスター(以下TM)にじっくり乗る機会があり、バイク乗りとしてもバイ

ク屋としても改めて気付くことがありましたので、今回はそのあたりをお話ししたいと思います。


[ NWJCツーリングマスターとは・・? ]



NWJCの高田さん曰く、バイク屋のおっさんライダー自らが、「速さより心地よさ」「何かに特化することの無い曖昧

さ」「和洋折衷のような大らかさ」で自由気ままにフィールドを拡げて、普段使いからバイク旅まで気負うこと無く満喫

できる1台を企画したことが始まりでした。


メーカー出荷のSTDは工業製品としては完成品でも、バイク旅では必須の積載力はリアキャリアやトップケースを装備

するだけでは心地よい走りで楽しむ事ができなくなる場合が大半で、ダウンサイジングした経験のある多くのライダーが

実体験されているのが現実ではないでしょうか。


バイク屋自らがバイクに乗って楽しむ実体験があればこそですが、実体験が伴わないと、売るがための提灯記事に通ずる

商品説明やボルトオンパーツの話題に終始することとなり、違和感や問題への対策は「こんなモノです」とか「所詮は2

50だから」とした対応となる場合が多いのが現実ではないでしょうか。


また、250・400クラスによる積載状態で心地よい走りを楽しめない場合は、ボルトオンパーツを組み込む対策を施

し、その後の違和感や問題には「250・400クラスではこんなもの」とした対応で代替を奨めるのが当然のようで、

機能よりも見た目重視のドレスアップカスタムのファッションと同様で、使い捨てと消費が主流の2輪業界は昔から何も

変わる事がありません。


気負うことも無く自由気ままにフィールドを拡げて走り続ける面白さと楽しさのバイク旅では積載力は必須であり、具体

化するための機能パーツはバイク屋自らの実体験に基づいた企画であり、積載状態での操縦性や安定性などトータルバラ

ンスを整えたNWJC独自のツーリングマスターとして具体化しています。


メーカー出荷の新車は工業製品としては完成品でも、もっと自由に気ままにフィールドを拡げて楽しむ道具としては未完

成で未熟ですから、持続可能な素敵なバイクライフのためにNWJCツーリングマスターへの提案は、メーカー・ブラン

ド・スペック等の知性よりも感性でライディングを楽しめるSL230TM・VTR・ツーリングセロー・CRF250

・CB400SS・SR500などNWJCツーリングマスター(TM)へと深化させて素敵なバイクライフへのお手伝

いができればと思う次第です。


また、カブ110NWJCコンプリートとトライアンフ空冷モダンクラシック2014仕様は、台数至上主義や成果主義

による使い捨ての消費が主流の2輪業界とは一線を画したツーリングマスターと同じコンセプトで企画して、バイク屋自

らの実体験に基づいて素敵なバイクライフのためのメンテナンスやモディファイを提案して随時深化している事もお伝え

する次第です。


[ 思い込みのSR500TMと意外なCB400SS−TMとの出会い ]



RBRサイトをご覧の皆さんはご存知の通りなのですが、昨年、NWJCの高田さんとご一緒したCB400SS−TM、

SR500ツーリングマスター(以下TM)の2台で行った能登ツーリングで経験したことについて少しお伝えしたいの

です。


僕は元SRカスタム屋としてとても興味のあったSR500TMに乗せていただき、CB400SS−TMを駆る高田さ

んと共にキャンプ道具などバイク旅には持参する荷物を満載して、能登のキャンプ場へ高速からワインディングに脇道ま

で一緒に走らせていただきました。


その際に感じたのは、以前お借りして瀬戸内を旅したときのSR500TMよりも更に深化していることをまずは五感が

知り、バイクは感性の乗り物であると改めて実感しました。



僕はもともとSRというバイクは、部品をとっかえひっかえして形が変わるのを楽しむバイクであり、エンジンについて

もピストンはじめカムやバルブなど、ほぼすべてにわたってカスタムパーツが存在していて、走りを楽しむというよりは、

部品交換による変化を楽しむ感じでした。

ですからSRにこれだけの荷物を積めるはずないし、その上ライディングを楽しめるなんてありえないバイクと思ってい

たのですが、

自分がフル積載状態のSR500TMに乗ったときにどれだけ驚いたかはサイトの記事でお伝えした通りです。


工場出荷時のままの素の状態のSRは、柔らかいフレーム、足回りで、エンジンも外観は満点ですが、どうも排気量から

期待するほどの乗り味ではなく、あくまでもカスタムベースだと思い込んでいました。しかし、積載状態のSR500T

Mを僕自身が走らせて、まったく別物の走りを目の当たりにして思い込みのSRとは次元が違うことを実感しました。

旅を堪能できるSR。荷物満載して走りを楽しめるSR、ノーマルなのにノーマルでない素晴らしいパワーフィーリング

のエンジン、引き締まってしなやかな足回りとフレーム。


すべてにわたって、NWJCの高田さんの手によるファインチューニングでトータルバランスが整えられて深化すると、

SRってこんな高い潜在能力があったのかと・・・SRは好きなバイクですし良い年齢になってこれで旅が出来たらなあ

と思っていた僕にはSR500TMは衝撃的な車両となったのです。


「こうなるならSRが絶対良い」と思っていたのですが、僕のその前を走るCB400SS−TMは素晴らしい走りを見

せていて・・・・・。


※詳しくは当時の僕の記事を見てください。文字をクリックです

「 SR500TMとCB400SS−TMでキャンプツーリング 」


前置きが長くなりましたが、そんなあらゆる路面、交通状況で最高に楽しめるSR500TMに乗って、高田さんのCB

400SS−TMの後ろを走って終始安定して、コーナーのギャップでもスッとやり過ごし、コーナーの立ち上がりや、

高速域での加速の鋭さは驚くほどで、エンジンや車体周りが温まってくると同時に、ペースを上げるCB400SS−T

Mに、とうとうついていけなくなってしまいました。


SR500TMって最高だぜー、積載状態でこのペースで走れるなんてどんなにカスタムしたSRよりもハイペースで楽

しく走れるぜ、と調子に乗ってました。しかし、前を行くCB400SS−TMについていけない。


もともとSRの対抗馬としてホンダが販売戦略上しかたなく造ったモデルで大した違いはないか、こちらは500だしま

だこちらが有利であると思っていたら、あるペースを境にSR500TMから「もうやめといた方がええで」と限界を教

えてもらって安定するペースギリギリ走っても、前を行くCB400SS−TMと高田さんはどんどん離れていく・・・

・・どうなってるんや?。


これが能登で一緒に走った時のCB400SS−TMに対する意外な印象でしたので、これは乗ってみたいと、かねてか

ら思っていました。


[ CB400SS−TMの意外な走りに ]



目の前にあるCB400SS−TMを見ていると、ノーマルと何も変わらないような姿は華奢な感じで、ツーリングマス

ターシリーズを見慣れた僕にも、これがあのペースでピタッと安定して走っていたバイクとは思えないが、昔からCB4

00SSに抱いていた僕のイメージとどう違うのか早速乗ってみました。


ここからは上手く伝わるかなかなか難しいところなのですが(笑)

エンジンは4バルブXR400からの流用の構成からは、空冷シングルのSRと同じように考えてしまいがちだったのを

後悔するほどの走りの良さ。



車体の剛性の高さと、硬すぎず柔らかすぎずの腰のあるサスペンションはファインチューニング済み、エンジンは4バル

ブですが低回転からしっかりトルクがあって、高回転になるほど強力になるパワーは排気量を忘れさせるほどで、かとい

って扱いにくさは微塵も無く、アクセルワークに反応するエンジンレスポンスの良さは、どんな走り方も楽しめるオール

マイティ−さは、SRより1枚も2枚も上手のように感じます



フロント回りとリアのバランスが凄く良くて、ビックリするほどの安定感はコーナリング進入時、コーナリング中、立ち

上がり、直進時もかわらず、大型のツアラーに乗っているようです。しかも粘るわけでもなくシングルスポーツらしい軽

快な乗り味もある。


これは想像以上の意外さでCB400SS−TMの仕上がりの素晴らしさを感じずにはいられません。

これは楽しい!名前のSSの通り正にシングルスポーツです。


また、CB400SS−TMには、数年前にNWJCさんで試乗したことがあるのですが、その更なる大きな深化も実感

する試乗となりました。


バイク乗りであり長年の経験で培われたノウハウで、メンテナンスとモディファにNWJCオリジナルパーツによりトー

タルバランスを整えると、こんなに素晴らしいバイクになるのか。でも、SRと同様にSTDにボルトオンパーツを組み

込む程度ではその良さを引き出せない事は皆さんもご承知のとおりですよね。


余談ですが、CB400SS−TMも素晴らしいシートがついていたので、てっきりコンフォートシートにされてると思

ったら「それよき時代のノーマルシートだよ、良いシートがついてるだろ?」と高田さん。


やっぱりとりあえずのラインナップの1台ではなく、よき時代のバイクだというのがよくわかった次第です。


いやー、SR500TMも良かったけどCB400SS−TMも捨てがたい魅力にあふれているなあ〜。

SRファンですが、CB400SS−TMの意外さには心移りしそうです。



僕が試乗記をお伝えするたびに、僕の周りでも特にRBRとまだ関わりのない方々からは、「こんな話聞いたことが無い

・・・・・。」という声がどこからともなく聞こえてきます。


そういえばNWJCの高田さんが仕上げたバイクに乗るたびに僕はそう思っているんです。


NWJCツーリングマスターに乗ると、こんなにバイク好きのバイク乗りが幸せになれることに気づき、それで僕はツー

リングマスターファンとなって、本当にバイクライフを楽しむために多くのライダーに伝えてあげたいと思うようになっ

たのです。(笑)


[ 僕の勘違いか、8耐世代の呪縛 ]



過去のやってきたことが災いしているのか、8耐憧れ世代(笑)がそうさせるのか、高性能を得るには高性能パーツを付け

ること、もしくはそれに交換することや、メーカー・ブランド・スペック・ライテクでしか実現しないとの思い込んでい

たのは僕だけではなく、同じ世代の人に特に多いのではないかと思います。


今思えば、CB400SS−TMの走りは僕らが思っている高性能とは次元の違うところにあるなあ、というのが正直な

ところです。


見た目にはエンジン・キャブレター、マフラーなどはノーマルですしCB400SSそのものなのですが、乗ると全てに

手が入れられて工場出荷時とは全く違うことは五感がすぐさま捉えて只者ではないと解る、

CB400SS−TMとの一体感を直感できる、よき時代のNWJCツーリングマスターですね。


また最近で良く聞かれるようになったワードで、バルブクリアランス、同調、〜バランスなどがありますが、どれか一つ

実施を前述のボルトオンパーツ交換と同じように考えているのが最近の傾向でしょうか。


知性を刺激するブランド・スペック・ライテクなどを売りにした最新のバイクでも五感ではなく語感で表現するあり方は、

過去から何も代わることなく高齢化したバイク業界で8耐世代が呪縛から解放されていないと思うのです。


よくよく考えてみると、バルブクリアランスや、同調など数多くある作業は、NWJC拘りのメンテナンスに全て含まれ、

これらを全て整えて、高いトータルバランスを得ることが可能なのだと今回の実体験で改めて確信したところです。



[ バイクを楽しみたい方のお手伝い ]



NWJCさんではツーリングマスターに装着されている、NWJCオリジナルパーツだけの販売はされていません。この

記事をご覧の皆さんはお解りの通りで、拘りのメンテナンスに加えて、フレームの強度アップも考えられたキャリアやサ

イドラックやフロントスクリーンも含めて、旅バイクとしてのトータルバランス整えておられるので当然ですよね。


冒頭のお話でお分かりのように、工場出荷時のままのバイクに部品を装着しただけでは、楽しむことは不可能なのです。


今回のCB400SS−TMの試乗で、トータルバランスが整っていなければ、バイク本来の楽しさを味わえず、いつで

もどこまででも乗りたくなるような、幸せを得て、購入後にこそ豊かなバイクライフが送れるように、一人でも多くのラ

イダーのお手伝いができればと思っています。


ツーリングセローやCRF250へダウンサイジングしてバイク旅を目指してみたものの、安定性や操縦性など、些細な

問題が頭をもたげてやはり小排気量では・・・と、思われて躊躇されているライダー諸兄、この記事をお読みいただき

「ちょっと相談してみようか」と、お気軽にご来店ください。


お待ちしています。


次回はSL230−TMでお送りします。お楽しみに!








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