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2023 11/14【 SR500TMとCB400SS−TMでキャンプツーリング 】
先日NWJCさんのサイトを見ると、高田さんがSR500ツーリングマスター(以下SR500TM)を
楽しんで来られた記事が載っていました。
※高田さんの記事はこちらです
↓文字をクリックしてください!
★CB400SS−TMとSR500TMで能登へ★
あ!あのSR500TM、なんか前と雰囲気ちがうやんか−、またなんかやってるな!自分だけズルいやん・・・・・。
と思っていて、
「記事見ましたよ!ズルいやないですか。ちょっとSR貸してくださいよ!」
とお願いすると、高田さんは「なんだよ、またかよ、しょうがねえなあ〜じゃあCB400SS−TMとSR500
TMでキャンプツーリングにでも行くか!」
「良いですね!ありがとうございます。!行きましょう!」
実はSR500TMに乗りたかったのはもう一つ理由があって
NWJCさんのSR500−TM記事が公開された数日後、
突然10年ぶりに当時SRのお客様だったYさんから連絡があり、
今までずっとRBRのサイトとNWJCさんのサイトをご覧になられていて
「バイクから遠ざかり10年放置していたSR400を復活させてまた乗りたい」とご依頼をいただいたのです。
YさんのSR400復活の参考のためにコンディションが整ったSR500TMにもう一度乗ることが必要だと思っ
たからです。
[ 元SRカスタム屋時代に乗っていたメーカー出荷状態のSRの感想は ]
僕が今回フル積載のSR500TMに乗って驚きの連続だったのは、過去の経験があったからでそれをお話ししよ
うと思います。
ずいぶん前にSR500を所有していたことは以前お話ししていますが、400についても同じように思っていました。
エンジンは
メカニカルノイズ、特にヘッド周辺からのガチャガチャ音が騒がしく、アイドリングを下げるとエンストしそうになるので12
00回転は維持しないとダメ。
レスポンスも一拍遅れる感じで、もわーっとした吹け上がりでとらえどころがありません。
回しても不快な振動が増すばかりでとてもじゃないですが高速で長距離を走ろうなどと思わなかったのです。
足回りは
前後のサスペンションが柔らかく、沈み込んだところから動くのでわずかなストロークしかなく、ちょっとした凸凹でボトムし
て突き上げるものですから、荒れた路面のコーナリング中はどこに飛んでいくかわからない怖さがあるし、
フロントホイールの重さに振り回され、狙った走行ラインを走れないのもあって、とてもじゃないですがワインディングで楽し
めるなんてバイクではなかったのです。
積載に関しては
標準のグラブレールに追加する形のリアキャリアがオプションでありましたが、カスタム屋だったころは装着するお客様も皆
無でした。
荷物をたっぷり積んで旅に出かけるなんて誰も考えたことがないほど、SRは「バイク旅」とはかけ離れた存在でした。
ですからSR500−TMに乗ると、荷物をたっぷり積んで延々と走り続けることが楽しいなんて、僕の知っているS
Rではなく、乗っている間も「これホンマにSRか?」と思う始末。
[ カスタムSRが流行った時代のバイク人口は今の10倍 ]
当時のSRは着せ替え人形のような存在でした。
セパハン、バックステップ、ロングタンク、シングルシート、マフラーはスーパートラップ構造のホワイトブロス製フルEXが人
気で流行っていましたね。目指したのは英国風カフェレーサーってやつです。
ちょっとでも速くしたいとエンジンパーツも豊富でボアアップ用ピストンにハイカム、FCR、TMR、CR・・・・・。懐か
しいですね。
カフェレーサーとして速さを目指した方、カフェのカタチに拘り雰囲気を楽しんだ方などそれぞれの好みで多くの方が楽し
んでいました。
僕もそうでしたが、62になって年のせいか苦しいポジションで激しい振動にさらされながら乗るのは老体には無理で
す(笑)
あれだけいっぱいいたカスタムSRを最近めっきり見なくなったのは
ユーザーの皆さんも歳をとり、僕のように乗らなく(乗れなく)なって手放したか、青春の遺産として大切に保管され
ているからでしょうか。
[ さらに熟成したSR500TMを走らせる ]
前回SR500TMをお借りしたのは3年前。
その時の荷物満載でのSR500TMの走りの驚きは今でも覚えているのですが、さらにNWJCの高田さんが
楽しむために手を入れているのはNWJCさんのサイトから知っていました。
さて、ここからお話しすることは、今現在SRにお乗りの方によっては大げさで信じられないことかもしれませんが、元
SRカスタム屋の僕が2日間、キャンプ道具フル積載でさらに深化し熟成した今のSR500TMに乗って感じた
ことをお話ししたいと思います。
積載に関して
キャンプツーリングに出かけるときの荷物量はご覧の通りですが。
普通に考えるとSRに積める量、重さではありません。まして強引に縛って載せたとしても高速道やワインディングを
まともに走れるとは誰も思わないでしょう。
NWJCオリジナルのリアキャリアKITは素晴らしく良くできていて高強度であり、どのバッグであってもあっという
間にガッチリ固定できるところは、流石やなあと思うところですし、このリアキャリアKITがフル積載での走りの楽
しさに貢献しているのです。
エンジン始動について
スタートですが、昔センタースタンドやサイドスタンドでバイクを立て、ステップの上に立ち、上に飛び上がって「おりゃあ
!!」と思い切りキックを蹴飛ばして一回でかかればラッキー!だったのですが・・・。
デコンプを握って圧縮上死点を過ぎたところでキックを踏み下ろすのですが、
前回同様にエンジンが冷えた状態からチョークを引きキック一発で始動。
このSRは別にスタンドを立てなくても左足を地面につけたままでOK、力いらず。
昔からあった始動性が悪いとのSRに対する常識は嘘のようです。
エンジンがかかり少し間をおいてチョークを戻すとアイドリングは800回転ほどで安定し規則正しい音は止まる気
配すらありません。昔の経験ではこの回転数だと不安定で放っておくとエンストするので、およそ1200回転でな
んとかアイドリングと保っていましたから驚きです。
またエンジンが静かなのにはビックリです。普通SR400も500も漏れなくヘッド周りからカタカタという大きな
音がするのですが全くありません。
これはどうなってるんだろうと高田さんにお聞きしましたが、「ナイショ(笑)」というばかり。
アイドリングから少し意地悪にアクセルを早く開けるとレスポンス抜群ですばやく吹け上がります。
いきなり開けても軽やかについてくる・・・あまり温まっていないのエンストしない。
この時点ですでに僕の知っているSRとは全く違う別物で、前回乗ったSR500TMとも明らかに違う、何かエン
ジン内部全ての部品のアタリが滑らかなようでスムーズさがあります。
低い回転で落ち着いているとはいえ、スタートしてクラッチミートするとき、安定したアイドリングはエンストさせる緊張
感は全くありません。
[ 確かなメンテナンスによるGoodコンディションを実感 ]
フル積載状態で走り出してまず驚いたのがステアリングステム周辺の剛性の高さです。
SRにありがちな柔らか過ぎる足回りとステム周辺でフラフラと落ち着かない感じは皆無です。
かといって粘るわけでもありません。ましてこれだけの荷物を積んで低中速を強いられる市街地で全くふらつかず楽
に走れてしまいます。
加速に入るとビッグシングルらしい鼓動と連動したスピードのノリの速さで早め早めのシフトアップがとても楽しい。
静かでありながらも走行中タタタッと歯切れのよい音が心地よい!ノーマルマフラーの素晴らしさを再確認です。
音の大きさと背中をトントンと押される感じがベストマッチしています。
カスタム屋時代はSRを手にする人は、まずはマフラーを変えてドカドカドカッといわせましょうと言っていたのですが、
ノーマルマフラーがこんなに良いなんて、とても良い!
あまりバタバタと大きな音を立てるのも恥ずかしくなってきた年齢になってきたせいかもしれませんが(笑)。
今回は更にエンジンが静かになったこともあり、ライディングのストレスが全くないのも素晴らしいです。
ファイナルは最適化されていて4速5速を多用する走りがとても楽しいのです。離れすぎず、近づき過ぎずのギア
比はグッドコンディションのビッグシングルをさらに楽しいものにしてくれています。
2000回転でそれぞれ4速で40km/h、5速50km/h。そこからの加速もスムーズ。
ややタウンスピードのゴーストップもタタタッとこれまた楽しい
ミッションもカチカチと短いストロークで小気味よくあっさりニュートラルが出るのも驚きです。SRはとくにミッションの
入り難さ、ニュートラルの出しにくさは標準装備でしたから。
またライディングポジションも素晴らしく、ハンドル、ステップ、シートの位置関係が体のどこにも負担をかけません。
肩の力が抜け、自然にステップを踏めて自在にバイクのコントロールをさせてもらえるので右左折、車線変更、と少
し走っただけでも3年前の試乗時との違いを感じます。
[ SR500TM専用オリジナルパーツ ]
スタートしてすぐ思っていたのですが、NWJCオリジナルのスクリーンは絶妙な形状と大きさでプロテクション効果抜群
でありながら、強風であってもハンドリングに影響しません。
風は肩に触れながら外へ逃げ、ヘルメットの上をかすめて後ろへ。頭も体もとても楽で、ところどころ10度下がる
気温でも寒さが苦になることもなくて、バイクで旅を楽しむ僕らには必需品ですね。
NWJCさんで用意されたコンフォートシートは適度な沈み込みから座り心地抜群、ノーマルは滑るし妙に柔らか
く、型崩れを起こして落ち着かずお尻だけでなく腰の疲れの早いものだったのですが、今回807kmを走る道中
では一度も不快感はなくノーマルとは雲泥の差です。
リアキャリアKITはフル積載でも積載を意識することはなく、高速走行もワインディングも楽々こなし、しかも楽
しいとはちょっと信じられないツーリングマスターに仕上がっているのを実感します。
[ 高速道からワインディングへ ]
市内の混雑を避けるため高速に入ります。
早めのシフトアップで合流しさらに加速し高速巡行に移ると、直進安定性抜群で驚いたことにビッグシングルらしい
鼓動感はあるんですが、嫌な振動がほとんど無く手も痺れません。
一定の速度から追い越しで加速していると4000回転から更に力強くなるとともに振動は少なくなっていくのに
ビックリ!バランサーを持たないビッグシングルとは思えない高速巡行性能です。
高速を降りてワインディングに入ります。ほぼ信号のないワインディングルートをCB400SS−TMとSR50
0TMで嬉々として走ります。
しかし、これだけの荷物を積んだSRでワインディングが楽しいなんて、乗っている本人も「信じられないが、すべて本
当のことなんです!」
高速で抜群の直進安定性を見せていましたが、剛性感あるハンドリングは、切れ込むでも外に流されるでもなく、と
てもニュートラルで右へ左へ、ビタッとした前後タイヤの接地感もわかりやすくヒラヒラと軽やかに走るではないですか。
フロントとリアの足回りは、高荷重のためのセッティングがなされていますが、高価なサスペンションへの換装ではなく、
ただ硬いのでもなくこの重量のある荷物を載せながらも荒れた路面をしなやかにいなしてしまう性能が与えられてい
て相当なペースでもいきなり破綻するような怖さが無いのは驚きであり、感性が刺激され鍛えられて人車一体が実
感できることも凄い。
落ち葉で道の色が茶色や黄色になっているワインディングもハイペースで楽しみましたが、後ろの荷物を全く感じさせ
ないトータルバランスが高い走りの楽しさには驚くばかりで夢中になってしまいました。
途中先行したフル積載のCB400SS−TMの走りにもビックリ。こちらにも以前試乗させていただいているの
ですが、もちろんさらに深化していて、ウカウカしていると置いて行かれる鋭い走りは、空冷ビッグシングルの良さを発
揮したまさにシングルスポーツそのものでした。
[ 知らなかった、SRの素晴らしさをも再確認するSR500TM ]
SRってこんなに素晴らしいバイクになるのか・・・・意外です。前回よりさらに深化したSR500−TMならでは
の乗り味は上質という表現がぴったりで、2日間で807kmの距離を走りSRの潜在能力を実感できたことは
素晴らしい体験でした。
メーカー出荷のノーマルでは想像もできないCB250R−TMの走りも、SR500TM に共通するところが
多数あり、NWJCツーリングマスターのコンセプトである「速さより心地よさと、何かに特化しない曖昧さに、和洋折
衷のような大らかさ」の本質を実体験できて、エンジン・足回り・積載力・快適性などトータルバランスの意味が初めて
分かった気がします。
こんなことならSRを売らずに持っとけばよかった・・・・・後悔です。
この気持ちがSR400/500をはじめ、お気に入りのバイクをいつまでも楽しんでお乗りになりたいと思われて
いる皆さんにお伝えしたいことです。
今、お乗りのバイクをこれからも大切に楽しむためのお手伝いをしたいと思います。
何なりとご相談ください。
次回に続きます。
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