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2018 10/17【 番外編:こんなもんですよ PART2! 】



最近、とても良い経験をした出来事がありました。
 
それはバイクではなく僕が普段仕事で使っている軽トラの話です。


25年物の軽トラとお別れする事態になり、

ちょっと興味のあった、生産を終了しているサンバートラックを中古で購入。

今年で2年が経ち41000kmだった走行距離は77000kmになって36000kmほど走りました。

毎日使ってとくに大きなトラブルもないと、ただただ使いっぱなしという状態で、それが当たり前のようになっていました。



先日、NWJC高田社長と電話でお話しした時に、サンバーの話になって

社長から、「バルブクリアランスは診た事ありますか?」と聞かれ、

「へ?いえ、オイル交換以外何もしていません」と答えると

「ダメじゃない。ちゃんとやらなきゃ〜」

ん?軽トラでバルブクリアランス?正直イマイチ ピンと来なかったのですが・・・。


あ、そうか。これもバイクのメンテナンスと同じことか・・・と気づきました。

同じ内燃機関なのにバイクのことばかりで、自分の軽トラのエンジンメンテナンスのことは微塵も考えていませんでした。お恥ずかしい限りです。


実は、NWJC高田社長もスバルサンバーを愛用されていて、以前社長のサンバーディアスに乗せていただくと14万キロとは思えないほど調子が良かったのを思い出し、お話を聞くとやはりバイク同様の「こだわりのメンテナンス」をされているとのこと。


僕のは乗りっぱなし状態・・・・。


数日後、NWJC高田社長からお電話をいただいて、

NWJCさんのお客様で、バイクは空冷スラクストン・SL230TM・カブ110コンプリートType2に乗り、車はサンバークラシック愛好家のSさんがバルブクリアランスの調整をしに来るので、乳深君も一緒にやってみたら、とありがたいお言葉をいただきました。


仕事の都合でSさんと一緒にできませんでしたが、数日遅れで伺うことが決まり、その時に作業させていただくことになりました。



[ 測定値にビックリ ]




サンバーの作業手順を教わりながら、まず現状を測定してみてビックリ。

基準値は、

吸気側  0.15mm

排気側  0.20mm

なのですが、測定値は以下のようになりました。

吸気側 0.25 0.25 0.24 0.24
排気側 0.24 0.25 0.24 0.25


ご覧のような結果で、基準値を大幅に超えて広がっています。新車で販売されてから現在まで一度もエンジン調整をされていないのがよくわかります。


★この基準値を大幅に超えている症状は、メンテナンスされていない空冷モダンクラシックと同じです。新車から乗り続けていくとコンディションが変わって行くのが普通です。


そして基準値に合わせていきます。

こうしてMyサンバートラックのエンジンコンディションが整いました。




[ 試乗してみてビックリ ]



走り出すと全く違う乗り味に変わっていて、激変です驚きました。

アクセルレスポンスが抜群に良くなりしかも力強い。

一速上のギアでも十分に使えるトルクがあって、各ギアのつながりもよくなってとても乗りやすくなっています。

アイドリングも少し上がってとても静かに安定しています。


帰りは、カブ110コンプリートType3の引き取りもあり、バイク等そこそこの荷物を積んでの高速走行も、行きより車体はピタッと安定していて、関ヶ原の登りも5速のままぐんぐん加速していくではないですか!

★空冷モダンクラシックをメンテナンスしたときと同じで、力強く乗り味も激変!


「吸気で10分の1ミリ、排気で100分の5ミリの違いって普段の生活の中ではほとんどかかわることのない小ささ。それだけでこんなに性能差があるんやなあ。」


スバルが自社生産していた頃のサンバーは、クラス唯一の4輪独立懸架の足回りに4気筒エンジンは丈夫でパワフル。「農道のポルシェ」なんて呼ばれていて、赤帽にも使われたタフなクルマそんなイメージでした。

そんな周囲の評判で興味を持ったのですが、実際に乗って見ると評判のようなパワフルな性能を体感することが無いなあ〜と思っていたのは、こういうことだったんですね。

★トライアンフ空冷モダンクラシックでも同じで、クラシックな外観の雰囲気を楽しむバイクで走りは「こんなもんですよ」と言う周囲の評判が一人歩きを始めてイメージが出来上がってしまうと言うことなんですね。







[ 湧き出る様々な思い ]



サンバー試乗時の驚きを感じながら、ちょっと複雑な思いにかられました。


今更ながらこれって、トライアンフのエンジンコンディションを整えたお客さんたちが感じたことと全く同じではないですか。


トライアンフ ディーラーで「こんなもんです」と納得させられていたお客さんが

「思い悩んだ俺の数年を返せと思った。」

と言われた気持ちがあらためてとてもよくわかりました。


例えば、僕が普段なんとなく気になっていた、

「660ccの4気筒やからやっぱり回さんと走らんのかなあ?」など疑問をディーラーで言ったときに、「この年式のサンバーならこんなもんですよ

と言われてしまったら、やっぱりそうかと納得していたに違いありません。


そして「でもなんか乗りにくいし・・・ディーラーの人も乗り換えた方が良いというし、ちょっと考えてみるか。」ていう風になるんですよね。


何だか今の2輪業界の流れをクルマで体験した気分。

翌日、こんな感じたことや思ったことを高田社長にお話しすると


「わははは、こんなもんですPART2だな、乳深君!」


今回皆さんにお伝えしたかった事の題名はこれで決まりました(笑)


[ 人生を左右する大きな違い ]




生活必需品であるクルマでもこれだけ気分よく走れるようになると、愛着が湧いてまだまだ大切にしたい軽トラに格上げになりました。


もし作業前の僕が「こんなもんです」と、どこかで言われていたなら、ちょっと裏切られた気分になってそこには行かなくなるでしょう。


趣味であるバイクなら尚更ですよね。趣味って人生を楽しむうえでとても大切なものですから。

気に入って手にしたバイクが、乗って見ると何かが違う、なんか変だということが伝わらないのは何故でしょう。


こんなもの、そんなもの としか返答できないバイクショップであれば「わかりません」とは立場上言いにくいのはよくわかります。


結局、こんなものと対応するのは経験が無い=実際に乗ってもいないし、その違いも判らないということになります。


僕が今回サンバーでこのような経験をしたので、普段から思うことで、「こんなもの」となぜか納得してしまう疑問も解決しました。


同じように思っているサンバーユーザー(空冷モダンクラシック ユーザー)から相談があった場合、「僕も同じ経験があって、それは直るよ」と教えてあげることができます。


普段乗り続けて、疑問に思ったことを解決していく経験が有るか無いかでは、バイクを趣味にするお客さんの人生を大きく左右する、と言っても決して大げさではないことをお分かりいただけると思います。


自分自身、今回の経験を通じて改めて感じたことを皆さんにお伝えしながら、楽しいバイクライフのお手伝いができればと願っております。


最後に余談ですが、店の周りは農家が多くてたくさん同年式のサンバーが走っています。

その方々に「そんなにブン回さなくても走るようになりますよ」と教えてあげたい、空冷トライアンフユーザーに教えてあげたいのと同じ気持ちでいっぱいです。(笑)


次回に続きます。




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