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2025 06/19【 疑似体験VS実体験 】

NWJCの高田さん達は昨年と同様GWにはSL230ツーリングマスター(以下SL230TM)でDayキャンプ
を楽しまれたレポートがUPされました。
SL230の「ツルシ」とは次元が違う走りで、歩くようなゆっくりしたペースから駆け足そして全力疾走にフル積載
でもワインディングや林道を軽快に楽しめるSL230TMが紹介されていますが、一般的には信じ難い内容です。
以前にSL230TM/CRF250TMの試乗会を企画して試乗した時のレポートをUPしようかと思ったのですが、
一般的には信じ難い内容で誤解を招くのではと躊躇していたのです。
しかし、高田さんのバイク屋の備忘録でUPされ実際に楽しまれている皆さんの声やアツシさん・S/Oさんのレポート(一番下のリンクからご覧いただけます)
も紹介されて、バイク屋も実体験ならではのレポートをお伝えしたいと思います。
[ SL230NWJCツーリングマスターを試乗して思う事 ]


遅くなりましたが11月の試乗会の時に試乗したSL230TMを試乗したときのレビューをお伝えします。
NWJCの高田さんお気に入りのSL230欲張りなおっさん仕様から更に深化して仕上げられたSL230ツーリング
マスター(以下TM)はメーカー出荷時の「ツルシ」からでは想像もできない乗り味で何もかも違うと驚いたのが試乗し
た第一印象でした。
僕が覚えているSL230というバイクのメーカー出荷の「ツルシ」状態では必要以上に柔らかい足回りに、回さないと
進まないとらえどころのないエンジンで、正直取り得が見あたらないバイクで、正直STDのままのSL230で旅に行
けるなんて全く信じられないことでした。
そう思った人も多かったのか、街で見かけるSL230は荷物を積むことなく近距離を走るか、何かオフロードに特化し
たカスタムだけになっていました。
しかし今、目の前にあるのは、長年の経験をもとに蓄積した独自のノウハウを持つバイク屋によって仕上げられたSL2
30TMは素晴らしい旅バイクとして生まれ変わったと言って良いほどのバイクだったのです。
エンジンもNWJC拘りのメンテナンスで、シングルエンジンらしいパルス感を感じながら十分な低速トルクを発揮し、
ホンマにあの230ccのエンジンかと思うほど力強さが増している。キャブレターもマフラーも全くノーマルにもかか
わらず、排気音すら歯切れのよいものに変化しているのにビックリ。
レスポンスも凄く良く、自分の感覚にも合っていて、アクセルの開け方でほしい駆動力が呼び出せるのは、同じエンジン
を積む車両に乗ったことがあれば、とりあえずガンガン開けていかないと前へ進まないといった印象は全くなくなってし
まい、このエンジンはこんなに素晴らしかったのかと見直してしまうほどです。
足回りも前後とも見直されていて、ただ硬くなっているのではなく、跨るとスッと沈むのですが、そこからがぐっと踏ん
張りが効いていながらも路面のギャップをしなやかに吸収し、タイヤと路面の接地感も手に取るようにわかるので、先ほ
どのエンジンと相まって一般道からワインディング高速まで、バイクとライダーの相互対話を存分に楽しむことができます。
NWJCオリジナルのリアキャリアKitはリアキャリアとサイドラックにより耐荷重性を高めてマス集中化とフレーム
の強度アップまで考えられた逸品、フロントスクリーンはSL230のためにNWJCの高田さんが何度もテストを繰り返
した専用品で、実際に走ってみるとハンドリングに影響することのない絶妙な大きさで、肩から上の風も整流されて首や肩、
上半身が素晴らしく楽になり、もうこれなしでは乗りたくないと思うほどの出来です。
ゆっくり景色を眺めて走るのもよし、少し活発にライディングを楽しむもよしの言うことなしの旅バイクです。
それは、高田さんの言われる「自由気ままにフィールドを拡げて・・・」をイメージできることでした。
工場出荷時のツルシの状態にボルトオンパーツを取り付けるだけでは考えられないことです。何故、これだけの違いがある
のか疑問に思うばかりでしたが、よくよく考えてみると意外にも高田さんがいつも口にしている「実体験」による問題への
対策が施されたことだと気付いたのです。
「疑似体験」では「こんなものです」とか「250クラスでは・・・」と抽象的な話で具体的な対応にはつながらないのが
現実ではないでしょうか。
今回このSL230−TMを試乗させていただいて思ったのは、高齢化に伴いダウンサイジングを考えてみたものの所詮
250では・・・と思うのはもう過去のこと。1台のバイクをここまで仕上げるためには実体験で培われた独自のノウハウ
がいかに大切かということと、同じバイク屋であっても一朝一夕にマネできるほど簡単なものではないということです。
[ 大切なことが一般的ではない現実 ]

お話ししたSL230−TMの試乗記は、SL230にお乗りの方もそうでない方も、「信じがたい話」かと思いますし
実際にそう言われた方もおられます。
一般的には新車が最高の状態で荷物を載せるのならキャリアを付けるだけで良いじゃないか、ということのようでどこの
バイク屋に行っても同じなのが現実です

これはメーカーもバイク関係の雑誌やサイトも何十年も前から量を売ることだけに注力し、ユーザーがバイクを手にした
後のことにはマフラーやハンドルなど機能パーツによるドレスアップがほとんどで250クラスでのバイク旅は妥協する
ことにより何とかなる。というのが一般的な現実です。

旅に出るのであれば荷物を積むための部品を紹介するのみで、実際に積載した時にバイクの操縦性や安定性がどうなるか
など肝心なことに触れることはありません。バイクの大小にかかわらず荷物を積めば不安定になり、積み方によっては
バランスが悪くハンドルが振られることも起こり、命に危険すらあります。
実際に危険な思いをした方がバイク屋に相談しても、「実体験」が無いと不安定さを抑制するとされた情報による部品の
購入を勧められるか、「疑似体験」のみでは小排気量の場合は不安定が当たり前だからと大型ツアラーへの乗り換えを
勧められてしまうのが現実です。

NWJCの高田さんがお気に入りで手がけたSL230−TMのようにトータルバランスが整うと、荷物を積んでもこん
なに楽しいなんて話は売ることを最優先する人たちにとっては邪魔な話でしょうし、実はバイク関係者の大部分は経験不
足で「実体験」と「疑似体験」の違いにも気が付かないのが現実です。
そんな中でNWJCの高田さん自身が楽しんだ実体験により、よき時代のSL230、CB400SS、XR230、
セロー250、SR400/500を旅バイクとして仕上げ、現行モデルのCRF250もツーリングマスター仕様へと
深化させて、僕をはじめとするおっさんライダーへの新たなバイクライフの提案のように思います。
[ 気づいた僕は幸運でした ]

1台のバイクをここまで仕上げることに価値がある事に気づき、バイク屋として実体験によるスキルアップが最も大切で
ことあること、僕が気付いたのは10年ほど前からのカブ110NWJCコンプリートType2が始まりでした。

15年前までカスタムパーツ屋として、僕自身が量を売ることだけに注力した時代がありました。
1台のバイクにどれだけ多くの部品を取り付けることができるかを考えていました。
現在でも125クラスで流行のバイクにカスタムパーツをテンコ盛りというのが話題になっているようですが、機能パーツ
をとにかく数多く取り付けるドレスアップのカスタムは当時と何ら変わらないのが実情です。

このことが判ったのはトライアンフ空冷スクランブラー2014をはじめ、カブ110NWJCコンプリート、
CB400SS−TM、SR500TM、セロー250TM、CRF250L−TM、今回のSL230−TMなど
NWJC高田さん自身がバイク乗りとして楽しむために仕上げた、メーカー出荷時の「ツルシ」の状態からでは想像も
できない旅バイクへと深化したNWJCツーリングマスターシリーズに出会えたからだと思っています。

僕をはじめ、乗り続けてきたお気に入りのバイクを「もう古いからとか、距離が出ているから」と乗り換えを勧めること
が一般的ですが、カブ110Type2をはじめリフレッシュメンテナンスにより心地よく楽しめることをお伝えして、
お客様方にこの大切さへの理解が少しづつ広がっているのを実感する今日この頃です。
何といってもこの楽しさがキャンプ道具などフル積載した時でもライディングの楽しさは全く代わりらないところが
NWJCツーリングマスターの素晴らしいところです。

次回は何故!! カブ110NWJCコンプリートが楽しいのか
経験豊富なT/Hさん、GENさん、K/Hさん、Y/Gさんのナマの声も含めてお伝えしたいと思います。ご期待ください。

※NWJCの皆さんのレポートは下記リンクから是非ご覧ください!
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NWJC高田さんの記事はこちら
★バイク屋の備忘録★GWはSL230ツーリングマスターを楽しむ★
S/Oさんの記事はこちら
★SL230ツーリングマスターに思う★
アツシさんの記事はこちら
僕んちのバイクライフ★SL230ツーリングマスター(TM)を楽しむ★

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