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2021 11/10【 SR500TMとNWJC2014仕様スクランブラー 】
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ある日のことです。NWJCさんにお邪魔していると、
先日キャンプでご一緒したTさんと高田さんがなにやら楽しそうな雰囲気です。
右耳を50倍くらいに大きくさせて聞いていると、どうも西日本方面を三泊四日でキャンプツーリン
グに行かれるとのこと。
高田さんはSR500TM、Tさんは2014仕様トライアンフ・スクランブラーで
途中の風景も楽しみながら一般道中心で、ということらしいのです。
ならば、僕もNWJC2014仕様トライアンフ・スクランブラーで・・・・・!
そこで毎度のことながら、「ちょっと待った!」(笑)と二人に割って入り
「そんな楽しそうなことに、なんで僕を誘わんのですか?二人だけはアキマセンよ!!」
「えーーっ、また来るのかよー。」
高田さんとTさんは顔を見合わせながら、
「コイツはこうなったら引かんから、まあええか(笑)しゃあないなあ〜(笑)
と言うことで、ご一緒させていただくことができました(笑)
当初3泊4日のキャンプツーリングの予定でしたが、NWJCの伊藤さんから土曜日の朝までには必
ず帰ってきて仕事に出てきてくださいと念を押されていました。高田さんが金曜日中に帰らなくては
ならなくなり皆の都合も合わせた結果、今回はビジネスホテルを使った1泊2日となりました。
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[ グッドコンディション=「のんびりトコトコ」 ]
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SR500とトライアンフ空冷スクランブラー900が2台というのは一般的に奇妙な取り合わせの
ように見えます。
SRの走りとスクランブラーの走りを比べてみると、一緒に走るのは少し考えるところがあるように
も思っていました。
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岐阜から出発されるお二人と夜久野で待ち合わせ。
ここに近い僕が先に到着して少し待っていると、あれ?スクランブラーが1台多い?
なんと村田先生も来られました。久しぶりにお会いしたのでうれしかったです。
ここからはSR500TMを先頭にNWJC2014仕様トライアンフ・スクランブラー3台が走る
ことになりました。
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国道をゆっくり流れに合わせて、SR500TMはビッグシングルを楽しみながら、極低速でもしっ
かり粘り歯切れのよい音を後ろに聞かせてくれます。
僕らは全車NWJC2014仕様スクランブラーも同じように、900cc、270°クランクの鼓
動感を楽しみ、アイドリング付近でもしっかり粘るので、頻繁なクラッチ操作は不要で、SR500
TMと一緒に景色を見ながら「のんびりトコトコ」が楽しめるグッドコンディションがNWJC高田
さんの拘りのメンテナンスによって与えられているからです。
実際、狭いところでのUターンや、海岸線の砂に埋もれるようなところでもしっかりグリップするの
で躊躇なく進めますし、
その気になればかなりのハイペースで走れるのも楽しく、こうやって本当に交通の流れに任せてゆっ
くり走ることも苦になるどころか「楽しい!」、これが本当の「グッドコンディション」ということ
なのだと、走りながら高田さんのメッセージが伝わってくるようでした。
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高田さんも先頭でSR500TMを本当に楽しんで操っている・・・・・。
続いて走るNWJC2014仕様スクランブラーに乗るみんなもそう。僕の前方とミラー越しはとっ
ても良い眺めです。
タイトなコーナーの続くワインディングに入ると、軽量で安定した車体でヒラヒラ。
ビッグシングルらしい強力なトルクを活かしてリズミカルでしかも相当に速いペースで約900cc
のスクランブラー3台を引っ張っていく様は、SRに関わってきた僕も「ホンマにSR?」。
NWJC2014仕様スクランブラーも相変わらずのオールマイティさで軽快な走りを楽しみます。
[ 驚くべきSR500TMのポテンシャル ]
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長年SRに関わってきてそれなりにSRの実力はわかっているつもりでしたが、一緒に距離を重ねる
たびに、これほどのポテンシャルがあったのかと思うほど驚くことになったのです。
極低速のトコトコ走りはもちろん、休憩でエンジンを止めても再始動はいつもキック一発。
エンジンがまだ十分には暖まっていないにもかかわらず、チョークいらずで安定してアイドリングし
ている。普通SRではエンストを恐れてなかなかスロットルから手を離せないのですが、
高田さんは余裕で手を放しタンクバッグの地図を見ながら何やらやってます。
僕の経験ではサイドスタンドでステップに立ち、エンジンがかかることを祈りながらキックを思いき
り踏み込む、というのが普通。
高田さんの左足は地について、軽く踏んでいるだけで僕には下まで踏み込んでいるように見えません。
これだけ始動性の良いSRを見たことがありません。
ワインディングでは車体は荒れた路面で跳ねることなく、タイヤはしっかり路面をとらえて右へ左へ
素早く向きを変え、タタタッとノーマルマフラーの歯切れのよいジェントルな音を響かせながら、立
ち上がりのトルクに乗った力強い加速は、うかうかしているとおいて行かれるので、こちらも真剣に
後を追わねばなりません。
高田さん拘りのメンテナンスは、ボアアップやキャブレター交換やハイカム、バルブ、バルブスプリ
ング、マフラーなどなど昔僕らがよくやった、「交換改造」は全くしておらず、ノーマルそのものな
ので外観からその実力を想像することはできません。
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途中で翌日仕事のある、村田先生と別れてからは、Tさんが先頭で僕、高田さんで走ることになりました。
しばらくは「のんびりトコトコ」を楽しんでいましたが、またワインディングに入ると、Tさんにスイッ
チが入りかなりのハイペースになりました。
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SRは大丈夫?とミラーで確認するとすぐ後ろにいるではないですか。登りでも下りでもミラー大きく映
っていて離れることがありません。
おまけに高田さんには余裕があってこのハイペースを楽しんでいる。SRですよね、それに前後ドラムブ
レーキ!
まさかこれほどの動力、運動性能があったとは・・・・・驚き以外何もありません。
フロントドラムブレーキもフロントフォークとともに、ちゃんとメンテナンスすればあの高速で姿勢制御
に使えるのか!そういえばお店に伺った時に高田さんがブレーキのメンテナンスをされてましたよね・・
・・・。
今回一緒に走ることでSRは400cc、500ccの排気量を持つバイクなのだと思い知りました。
ところがSRの名前だけで、どこか走りの楽しさを侮っている風潮が昔からありますよね。
SR500TMの走りを観察していると、「SRではフル積載でキャンプツーリングや走りを楽しめない」
と、SRに関わる全てのショップや雑誌など媒体がパーツを売るために作り上げたイメージと言ってよい
と思いました。昔の僕も含めてですが。
NWJC2014仕様スクランブラーに乗る僕らが受け取ったように、前を走るSR500TMからも高
田さんの拘りのメンテナンスがいかに大切か、メッセージが伝わってくるようでした。
僕が経験したSRカスタムとは全く真逆。もっと早くこのSR500TMに出会っていれば、今でもかつ
て乗っていたSR500をNWJC-TMに仕上げて大切に楽しむことができていただろうと思うのです。
僕がやったカスタムは、言わば、人と違うことをして所有欲を満たす一過性のもの。出来上がったらそれ
でおしまい。
当時を振り返ればそれでよかったのですが、本当にSR400/500を楽しむものでは無かったとつく
づく思います。
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余談ですが、最近はSRに関して気になる話も聞きます。
なんでもSR400ファイナルエディションの未使用車が150万円もするそうで。
「これが最後」、になると、バイクに乗ることよりお金に興味のある人たちが群がるのは昔も一緒ですが、
最近は特にひどい。こういう輩が業界に大勢いることもかなわん話です。
もう中古でしか手に入らないSR400/500の魅力をSR500TMのように仕上げて楽しみたい人
には大きな障害ですよね。
それに少し前の国産車の中古価格の高騰具合は異常というしかなく、同時に今のバイクの魅力の無さが浮
き彫りになっているように思えてならないのですが、こう感じるのは僕だけでしょうか。
運よくSR400/500を手にされていて、もっと楽しみたいと思っている方でご相談事等ありました
ら、お気軽にご相談ください。
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[ バイク旅について考える ]
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この2日間は高田さん流のバイク旅の一部をみせていただき、とても参考になりました。
良い景色を見ながらのんびりトコトコ走り、良いポイントがあればバイク止めてしばらく見たり、少し横
道にそれてみたり・・・・。
SR500TMもNWJC2014仕様スクランブラーに限らずどんなバイクでもコンディションが良く
なければできないことです。
本当に全域で楽しい。
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翌日は出雲大社に参拝させていただいたときなど、高田さんは立ち寄るところで日本神話に関していろい
ろ教えてくださいました。
僕などは全く知識がない状態なのですが、とても楽しく過ごしました。
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高田さんお気に入りの日本神話はもっと続きます。
しばらく走って、「あの世とこの世の境にいってみるか」と言って、黄泉平坂に連れて行ってくださいま
した。
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「あの岩の向こうに行ってみる?」と言われましたが、
向こう側があの世と知って、さすがに「戻ってこられないかもしれない」と思いお断りしました(笑)
そこにあった資料を読むとイザナギが追っ手を攻撃するのに投げたといわれる桃の木もそこにあり、素人
ながら日本神話に触れた気持ちになりました。
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お昼になり、高田さん一押しの「はんぺん」を買って、こんなところまで来れるのかと思うほど海に近い
ところで、3人はブロックに腰掛け、海を眺めながら昼食。これがまたとても美味しく、環境抜群でとて
も気持ち良いのです。人が大勢いる観光客用の食事より何倍も良かったです。
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その後、夕暮れが近づいたころ、高田さんが「この時期にしか見れない景色を見に行こう」と、来た道を
引き返し、国道をそれてから急坂を登り砂地の道を抜けてある場所へ。
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そこは広大な、らっきょう畑で、紫色の花が丘から海に向かって一面に咲いていました。
「こんなきれいな景色があるのか・・・・・」。
鳥取には何度も来ていますが、せいぜい砂丘しか知らなかったのです。
「ここから見る夕焼けがホントにキレイな時もあるが一期一会でなぁ」と高田さん。
しばらく夕焼けを待ちます。待っている時間がなんとも心地よく素晴らしい気分です。
夕日は少し雲に覆われてしまいましたが、それでも満ち足りた気持ちに浸ります。
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高田さんがよく言われる、
「点と点を結ぶような移動だけではつまらないだろ?」とてもよくわかります。
観光地から観光地、名物から名物をチェックすることだけでただ移動するだけなんて、バイクでなくても
車や他の交通機関でもできます
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バイクに乗っていかに道中を楽しむかが大切であって、時間に追われることなく、速度を抑えて走ったり、
止まったりするからこそ見えてくる良い景色との出会いであり、立ち止まることや、狭い道に入り込んで
散策することもいとわず、これが自由気ままなバイク旅ですよね。
グッドコンディションだからこそ速度を抑えても楽しめる。そんなことを実感できた有意義な2日間でした。
最後に急に割り込んだのにもかかわらず、同行を快諾していただき、ツーリング中も仲良くお話ししていた
だいたTさんに心からお礼申し上げます。
高田さん、村田先生ありがとうございました。
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次回をお楽しみに。
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